「うん、分かったよ。今呼ぶからね・・・お母さーん。お母さーん、大変だよー。」
アキちゃんは階段の下の部屋にいるお母さんを大声で呼びました。するといつもになく大きな呼び声に驚いたお母さんは、あわてて階段をかけのぼって来ました。
「どうしたの?アキちゃん。」
「ぼ、僕ウンチをもらしちゃった。」
といって恥ずかしそうに足元のかたまりを指差すアキちゃん。
「ん?まぁやだ。何でこんなところでもらしたの?」
「僕、もう我慢ができなかったの。」
「そう。じゃあ早くウンチを取ってトイレにすててきなさい。」
「でも、僕、ウンチを触れないから、ウンチ君がお母さんにとってもらってって言っていたけど。」
お母さんは、アキちゃんの言葉を聞いて、訳がわからなそうな顔をしました。
「アキちゃん、何を寝ぼけたことを言っているのよ。まあいいわ。・・・」
お母さんは紙で足元のウンチ君をふきとりると、便所に向かい、穴に落としました。
「ぼっとん」
ウンチがトイレに落ちていきます。落ちながら、ウンチ君は大きな声でさけびました。
「アキちゃ~ん。元気でな~。」
アキちゃんは答えました。
「ウンチ君も元気でねぇ~」
お母さんは、ひとり言を言うアキちゃんを心配そうながめて言いました。
「アキちゃん。どうしたの?大丈夫。寒いからね。熱でもある?」
どうやら、ウンチ君の言葉が聞こえるのはアキちゃんだけのようです。
一方、そのころトイレの穴の下では・・・
「やあみんな。遅くなってごめんよ。中々便所に来てくれなかったから無理やりおしりから飛び出してきたんだ。これから僕たちの命はどのくらいだろう。」
「よぉ、アキちゃんのウンチだね。待ってたよ。一昨日汲み取り車が来たばかりだから、まだまだ大丈夫だね。」
「そうか。じゃあ今のうちにたくさん遊んでおこう。」
ウンチ君たちは早速トイレの中で遊び始めました。泳いだり、歌ったり、踊ったり、毎日毎日大騒ぎです。いくら騒いでもアキちゃん以外の人間には聞こえないのですからおかまいなしです。
でもアキちゃんがトイレにくるときには、ウンチ君は他の友達と一緒に、
「おーい、アキちゃーん、元気かーい?」
と話しかけます。アキちゃんは、
「元気だよー、みんないっぱい遊んでねー」
と答えます。
トイレに行くたびに、変なことをしゃべるアキちゃんのことばを、お母さんもお父さんも、そしてお兄さんも不思議な様子で聞いていました。
2週間後・・・
ついに汲み取り車が着ました。
アキちゃんはウンチが汲みとられていくのを悲しそうに見つめていました。すると突然、ウンチを汲み取るポンプの中からウンチ君の大きな声が聞こえてきました。
「バイバーイ、アキちゃん。元気でなー、オレのことを産んでくれてアリガトー」
ウンチ君がアキちゃんにお別れのことばを言ってくれたのです。
アキちゃんは思わず立ち上がりました。目の中は涙でいっぱいになりました。
「バイバーイ。ウンチくん。一緒にいた2週間は本当に楽しかったよぉ。」
「ありがとうー、ありがとうー」と何度も何度も大声で言いました。もう涙声です。
お母さんや、汲み取りのおじさん、そして近所のおばさんたちが驚いたようすでアキちゃんをみていました。でもアキちゃんにはそんなことは関係ありません。
「ありがとーーーーーーーーーーーー。ありがとーーーーーーーーー」
アキちゃんはいつまでも、いつまでも、消えていくウンチ君に向かって叫び続けました。
アキちゃんは階段の下の部屋にいるお母さんを大声で呼びました。するといつもになく大きな呼び声に驚いたお母さんは、あわてて階段をかけのぼって来ました。
「どうしたの?アキちゃん。」
「ぼ、僕ウンチをもらしちゃった。」
といって恥ずかしそうに足元のかたまりを指差すアキちゃん。
「ん?まぁやだ。何でこんなところでもらしたの?」
「僕、もう我慢ができなかったの。」
「そう。じゃあ早くウンチを取ってトイレにすててきなさい。」
「でも、僕、ウンチを触れないから、ウンチ君がお母さんにとってもらってって言っていたけど。」
お母さんは、アキちゃんの言葉を聞いて、訳がわからなそうな顔をしました。
「アキちゃん、何を寝ぼけたことを言っているのよ。まあいいわ。・・・」
お母さんは紙で足元のウンチ君をふきとりると、便所に向かい、穴に落としました。
「ぼっとん」
ウンチがトイレに落ちていきます。落ちながら、ウンチ君は大きな声でさけびました。
「アキちゃ~ん。元気でな~。」
アキちゃんは答えました。
「ウンチ君も元気でねぇ~」
お母さんは、ひとり言を言うアキちゃんを心配そうながめて言いました。
「アキちゃん。どうしたの?大丈夫。寒いからね。熱でもある?」
どうやら、ウンチ君の言葉が聞こえるのはアキちゃんだけのようです。
一方、そのころトイレの穴の下では・・・
「やあみんな。遅くなってごめんよ。中々便所に来てくれなかったから無理やりおしりから飛び出してきたんだ。これから僕たちの命はどのくらいだろう。」
「よぉ、アキちゃんのウンチだね。待ってたよ。一昨日汲み取り車が来たばかりだから、まだまだ大丈夫だね。」
「そうか。じゃあ今のうちにたくさん遊んでおこう。」
ウンチ君たちは早速トイレの中で遊び始めました。泳いだり、歌ったり、踊ったり、毎日毎日大騒ぎです。いくら騒いでもアキちゃん以外の人間には聞こえないのですからおかまいなしです。
でもアキちゃんがトイレにくるときには、ウンチ君は他の友達と一緒に、
「おーい、アキちゃーん、元気かーい?」
と話しかけます。アキちゃんは、
「元気だよー、みんないっぱい遊んでねー」
と答えます。
トイレに行くたびに、変なことをしゃべるアキちゃんのことばを、お母さんもお父さんも、そしてお兄さんも不思議な様子で聞いていました。
2週間後・・・
ついに汲み取り車が着ました。
アキちゃんはウンチが汲みとられていくのを悲しそうに見つめていました。すると突然、ウンチを汲み取るポンプの中からウンチ君の大きな声が聞こえてきました。
「バイバーイ、アキちゃん。元気でなー、オレのことを産んでくれてアリガトー」
ウンチ君がアキちゃんにお別れのことばを言ってくれたのです。
アキちゃんは思わず立ち上がりました。目の中は涙でいっぱいになりました。
「バイバーイ。ウンチくん。一緒にいた2週間は本当に楽しかったよぉ。」
「ありがとうー、ありがとうー」と何度も何度も大声で言いました。もう涙声です。
お母さんや、汲み取りのおじさん、そして近所のおばさんたちが驚いたようすでアキちゃんをみていました。でもアキちゃんにはそんなことは関係ありません。
「ありがとーーーーーーーーーーーー。ありがとーーーーーーーーー」
アキちゃんはいつまでも、いつまでも、消えていくウンチ君に向かって叫び続けました。
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