2012年5月17日木曜日

童話 「アキちゃんとウンチ君」(第2章)

★「アキちゃんとウンチ君」(第2章)★
 前回の続きです。
「アキちゃんとウンチ君」(第1章)は、↓をどうぞ。
http://keishiseki.blogspot.com/2012/05/1.html

 アキちゃんはあわてて布団から抜け出し、一階にあるトイレをめがけて、まっしぐらに走り始めました。

 でも、残念ながら・・・間に合いませんでした。
  一階に続く階段にようやくたどり着き、一歩足を下に踏み出そうとしたところで、
おしりから大きなかたまりが、
「ポコン。」
と出てしまいました。少し固めのかたまりです。
アキちゃんは、ぴたっと動きを止めました。
(ああ、出ちゃった、どうしよう。)
 
 おしりを飛び出したウンチは、少しの間アキちゃんのパンツの中で、
もごもごしていました。が、すぐに、パンツを抜け出し、パジャマの中で下に向かって動き出しました。アキちゃんははだしです。木の床が冷たくて、とてもつらいです。
パジャマ一枚なので、寒さで体が震えます。
でも、動き続けるうんちをどうすることもできません。
アキちゃんは、階段の目の前で、立ちすくみました。
うんちは、パジャマとアキちゃんの体の小さなすきまを、下をめがけてゆっくりと動き続けました。後ろ太ももを通り、後ろひざを通り抜けました。
そして、アキちゃんが思わず足を前に、少しだけ振り出したひょうしに、うんちは足の前のほうに方向を変えました。後ろひざから前に移って、すねをゆっくり下り続け、
いよいよパジャマを抜け出しそうです。
アキちゃんは、ただただ、足元を見つめていました。
その時です。おしりからの旅を終え、パジャマから顔を出したウンチ君は、足の甲に到着したところで、ぴたっと動きを止め、
「やあ、おはよう、アキちゃん。」
と語りかけてくるではありませんですか。
アキちゃんはとてもびっくりしました。



(続く)

0 件のコメント: