2015年12月7日月曜日

「税についての作文」コンクール 受賞作品 全文公開!

 「税についての作文」の受賞作品を公開します。
コンクールの詳細は、昨日(12月6日日曜日)の記事をご覧ください。
(著作権について特に何も言われていないので掲載して問題ないと思います)。

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11歳の僕と村の学校の子供たち。

税金 ー幸せを導くものー
            八王子市立石川中学校 2年 関 慶志


 税金は、皆でお金を少しずつ出し合い、人々の暮らしをよくするために使われるものである。例えば学校のその一つだ。中学生である僕が毎日学校に通えるのも税金のおかげである。もし税金制度がなければ、豊かな家庭の子供しか学校で学ぶ事はできない。
 日本にいると、学校に通うことは当たり前のことであるが、この世界には税収が足りず子供たちの教育を保障できない国が多くある。2012年、僕は世界でも最貧国の一つと言われる南アジアの小国、ネパールに暮らした。この国では所得税ゼロの年収30万ルピー(約32万円)未満の人々が国民の8割以上を占める。当然税収はとても少なく小学校すらまともに作ることができない。さらに日本とは逆で子供の数は増え続ける一方だ。結果、多くの子供たちが学校に通う事ができない。ネパール在住中、僕自身は外国人の寄付でできた学校に通っていた。先生の平均年令が17才というのには驚いたが、それでも学校に通えただけ幸せだ。
 ある時、父に連れられて訪れた地方の村で悲惨な現実を目の当たりにすることとなった。その村唯一の学校を見学に行ったとき、校長先生から、「明日、子供たちに日本のことを紹介してほしい」と頼まれた。当時小学5年であった僕にはとても難しい課題であったが、一晩中必死に考えた結果、折り紙で紙飛行機を作って遊ぶことにした。そして、20名の子供たちがぎゅうぎゅう詰めの小さな教室で少しだけのネパール語とジェスチャーを使って必死に教えた。
 ふと教室の外を見てみると、そこには数え切れない程の子供たちが僕を見ていた。なぜ他クラスの人が授業時間なのに、教室の外にでているのか疑問に思い、父に聞いてみた。すると父は、「この人たちが、お金がなくて学校に通うことができない子供たちなのだよ」と教えてくれた。ショックだった。折り紙を教えながら思わず泣いてしまった。
 学校に行けない彼らは、もしかしたら毎日このように「うらやましいなぁ」と思いながら外から授業を眺めているのかもしれない。そう考えたとき、学校に通えることがどれほど幸せなことなのか身にしみて感じた。
 去年から消費税が8%に増税された。買い物の値段が高くなったと不満を言う人も少なくない。しかし、安定した税収をうまく使ってきたからこそ、今僕たちが日本で落ち着いて暮らすことができているという事実を決して忘れてはいけない。税金は人を苦しめるためのものではなく人を幸せにするためのものなのだ。このことを理解した上で、改めて税金の大切さを考えていきたい。


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