講義を要約すると、内容は5点(僕の解釈であるため、父の言った内容と多少ズレはあると思う)。
- 線の中の点
- 9ヶ月の留学は、今の僕にとっては長く感じるかもしれないが、人生という長い線で考えるとたったの1点に過ぎない。ただ、その1点が原体験となり、人生が大きく変わるかもしれない(留学に限らず)。
- カルチャーショックのフェーズをすっ飛ばす
- 通常、環境に慣れるまでには3ヶ月間くらいかかるため、慣れた後に残された時間は6ヶ月。ただ、僕はこれまで海外経験があるため、その3ヶ月をすっ飛ばすことができればベスト。
- 判断保留・目立つ
- 多様性社会のリーダーになるため、Conflictがあった時、誰にも加担しない=判断保留を行う。そしてさまざまなコミュニティのみんなの助けになり、必然と目立つようになる。
- 勉強しまくる
- 勉強しまくることで圧倒的な知識と信頼を得る。
- 鈍感力
- ストレスになりそうな外部情報を自分の中で貯めこまず、上手く受け流す。
講義の最後に、「鈍感力」の説明のためにノート一面に放物線が描かれた。
新しい環境に身を置いてから、3段階のフェーズが訪れる。
- 新しいものに出会うフェーズ(放物線の左端)
- カルチャーショックで落ち込むフェーズ(放物線の真ん中)
- 人によるが、そこから抜け出すのに3年くらいかかる
- 完全に適応するフェーズ(放物線の右端)
※各段階で小さなカルチャーショックのフェーズ・それに適応するフェーズを繰り返す。
父が強調したのは、1段階目のフェーズに留まること。カルチャーショックで大きく悩んで落ち込む時期は勿体無いし、1年弱しかいないのだから完全に適応する必要もない。ならば、放物線の左端のフェーズに留まる。そのために必要なのが「鈍感力」。自分の周りで起こる負の状況や物事を気にしない力。鈍感力を持って、留学生活を最大限価値のあるものにするのだ。そう言い放ち、特別講義が終わった。とても貴重なお話だった。
留学生活が始まってから半年が経った。この留学を通して気づいたことは、僕は鈍感力に欠けていること。そう痛感した一番の出来事は「トイレ流さない事件」だ。
僕が通うフィットネスジムの男性会員と住んでいる寮の大学1年生の多くはトイレを流さない。初めて流されていないトイレを目撃したのは、留学開始2日目。偶然かと思ったが、それからというもの、毎日のように流されていないトイレを目撃することになる。小はもちろん、大が流されていないことも少なくない。(便器の中にウォッカの瓶や食べかけのピザの箱が放置されていることもあるのだが、今回は深掘らないでおく)
私は人より綺麗好きということもあるのだろう、流されていないトイレを見ると最悪な気持ちになる(誰でもそうか、、笑)。トイレに行くのが怖くなり、限界まで我慢するようになった。また、なるべく綺麗なトイレを探し回り、可能な限りそこのトイレを使用するようになった。
そんな生活がここ最近まで続いた。しかし、先日ふと父の講義を思い出した。これこそ鈍感力を発揮するところではないか!そう自分に言い聞かせた。でもできなかった。汚いトイレや流されていないトイレを見るとやはり嫌な気持ちになってしまう。
ただ、「気にしない」ことはできずとも、逆に、少しだけその状況を楽しむことができるようになった。まず、トイレに行きたいと思ったら、頭の中にジョン・カビラ(サッカーの実況で有名な方)をイメージし、トイレに入る前に実況を始める。
「さあまた始まりました、今回のトイレは流れているのか流れていないのか!!」
そして、トイレに入って答え合わせをする。流れていたら、
「ラッキー!」
流れていなかったら、
「またもやでました、流れていないトイレ!なぜなんだ!なぜ排泄後にトイレを流してくれないのだ!!」
このように臨場感たっぷりにジョンカビラが実況をする。そうすることで、トイレが行くことが少しだけ楽しみになった。
まだまだ鈍感力は足りないが、嫌な状況を楽しむことができるようになったのは大きな成長だ。
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