2020年2月29日土曜日

暴挙(全英連英語スピーチコンテスト)[動画あり]

 高校2年時、全英連(全国英語教育研究団体連合会)主催の英語スピーチコンテストに出場しました。そこで僕は、ある(自分自身に正直な)行動を取った結果、学校の先生を裏切ってしまいました。。

本番直前の僕


 このブログの読者で知っている人は少ないですが、実は僕は高校でESS(English Speaking Society)に所属しており、部長も務めました。僕の高校のESSは東京の中でも有名で、ディベートやスピーチなど毎年様々なコンテストに出場。特にスピーチコンテストは3年連続で全国大会に進み、昨年は僕の親しい友人が(海外居住経験なしの部門)全国2位に輝きました。 
 僕もスピーチコンテスト(海外居住経験者部門)に出場するチャンスを得て8月の原稿提出期限に向けて「勝つための」原稿を書き続け、ぎりぎり完成しました。そして予選(原稿審査)を通過しました。そこから2ヶ月はひたすらスピーチ練習です。スピーチコンテストは人生初だったので、立ち振る舞いからジェスチャーまで、学校の先生にたくさんのことを教わりました。
 しかし何度もスピーチ練習をしている内に、スピーチの内容に違和感を覚え始めました。「これは本当に僕が伝えたいこととは違う。ただ優勝するためだけに自分を繕ってしまっている。」
 練習すればするほど、自分の気持ちよりも予選通過を意識し過ぎた原稿になってしまっていたことを思い知らされました。
 このコンテストでは予選通過した原稿をそのまま発表しなくてはいけない規則のため、スピーチ内容の変更は不可能。だんだんやる気がなくなっていってしまい、学校の先生には「これからは1人で練習する」と嘘をついて家に帰ってしまいました。(先生、申し訳ありませんでした!)

 本番2日前。すでに準備万端でいなければならないはずなのに、僕は原稿の暗記すらできていませんでした。もういっそのこと棄権してしまおうか、そう思いました。しかしせっかくエントリーしたのだし、学校代表だし。じゃあどうすればいいのだ・・・。
悩みまくった結果、僕は暴挙に出ました。
原稿を一から作り直すことにしたのです(明らかなルール違反です。先生、申し訳ないです!)。せっかくの何百人もの人々に自分の思いを伝えるチャンス、心の中の思いをそのまま言葉にしたような、僕が本当に伝えたいことだけを伝えようと決意しました。そこから2日間はほとんど寝ることなく、かろうじてスピーチ原稿を書き上げました。
 上述のように提出した原稿の変更は認められないため、僕は新しいものを発表した時点で失格です。学校の先生にも嘘をついたことになり、さらに次年度の出場枠(僕の学校からは毎年2名)が減らされるかもしれません。それでも僕はどうしても自分の気持ちに嘘をつけませんでした。
 そして本番。僕は自分の思いを聴いていただく方々に届けることだけを目標にスピーチしました。映像を見ていただければ分かりますが、しばしば原稿に目を落としながらの拙いものでした。
終了後、すぐに学校の先生のところに謝りに行きました。絶対に怒られると思っていましたが「自分で決めたことはしっかり貫く。けいしらしいね。素晴らしいスピーチだったよ。」と言ってくださりました。本当に感謝しています。そして重ね重ね申し訳ありません。
 もちろん入賞などできませんでしたが、僕は自分の決断に満足しています。あそこで、違和感を持った原稿を発表したら、たとえ全国優勝しても悔いが残っていたと思います。

 僕のスピーチは、下のリンクから見れます。よろしければご覧ください。

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