2024年5月26日日曜日

観光地であるということ

イギリスでの授業が全て終わり、2ヶ月に渡って旅をした。
ドイツから始まり、スペイン、モロッコ、ブルガリア、北マケドニア、コソボ、アルバニア、モンテネグロ、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、そしてロンドン。
ベルリンには1ヶ月間滞在したのだが、その他は全て1-3泊ごとに都市間を移動するという移動しまくりの日々。
もちろん少なからず疲れは感じるが、それ以上に自分の全く知らない国々でも当たり前のように世界が動いているという実感があり、当たり前のことではあるのだが、何だかとてもワクワクした。

どの国もそれぞれ魅力があったのだが、予想とは大きく違ったという意味で一番印象に残った国はモンテネグロだ。私はコトルという港町にある最安値のホステルに3泊した。
バルコニーに出ると一面に港の景色が広がり、エメラルド色の水とそこに反射した光が僕の目を輝かせる。幾度となく海を見てきたが、ヨーロッパの海の中ではトップクラスに美しく、気づけば何十分もその景色に見惚れていた。

コトル湾の景色

コトルの他の特徴として、物価が安いことと観光客が比較的少ないことが挙げられる。特に、次の目的地であったクロアチアのドゥブロブニク(バルカン半島随一の観光地)と比較すると、差は歴然だ。

コトルの中心地

ドゥブロブニクの中心地

ふと、なぜこんなにも観光客の量が違うのか疑問に思った。
ドゥブロブニクの方が世界的にも有名な観光地であるから、そしてそれに伴いより多くの観光スポットが点在(この単語合ってる?)しているから、というのが主な理由だと考える。
他にも、ドゥブロブニクの方が空港からのアクセスが便利であること、クロアチアは先進国でモンテネグロは途上国であることなども可能性として考えられるが、おそらく観光地が魅力的であればアクセスの良さや途上国であることはそれほどの妨げにはならないだろう。

だが、あまり納得がいかない。コトルにはドゥブロブニクと同じくらい綺麗な海があり、観光地もドゥブロブニクほどではないが豊富である。山を登れば壮大な景観に目を奪われるし、ビーチに行けば透明な海の虜になる。さらに、物価も圧倒的に安く、人も少なく観光しやすい(観光客が少ないからだが)。さぞかし魅力的ではないだろうか。

人はなぜ有名な場所に行きたがるのだろう。インターネットが普及して、見たいもの、行きたい場所をバーチャルで楽しむことが容易になった。わざわざ行かなくてもいい。もちろん、家を離れて旅行に行きたい気持ちは分かる。それではなぜ、有名で混んでいる所に密集するのだろう。それ以外の魅力的な場所を知らないだけなのか、知った上で何か別の理由で有名な観光地を選択するのか。

そんなことに思考を巡らせながら、今日はロゼッタストーンをこの目で見たいがためだけに大英博物館へと足を運ぶ。